第4話 君は僕の安全地帯

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「ずいぶん大胆だなぁ……こんなところで男の手なんか握りやがって」  はっとして振り返ると、そこに恋野くんが立っていた。 「誰が嫉妬してるか、わかんねぇぞ?」 「へ、へんな意味はないもん。湊くんには、元気出して欲しかっただけ」 「まぁ、糸結べたからいいか」  すると近づいてきた恋野くんが、いきなり私の肩を抱いてきた。私はびくっと体を震わせる。 『何人も泣かされた女の子見てきたから』  いまさらあのお兄さんの言葉を思い出し、ビクビクしてしまう。  恋野くんって見るからにチャラいもん。何人もの女の子と付き合って、何人もの女の子をフッてきたのかもしれない。  だからこういうこと、平気でするんだ。 「お前はその調子で湊のやつを応援してやれよ。そのうち告白しようって気になるだろ? そしたら凪に糸の端っこを結んでやればいい」 「う、うん」 「そういうわけで、よろしく」  恋野くんが私の耳元でささやいて、ぱっと離れて行ってしまった。  私はその場にへたりと座り込む。  なんなの、いまの……なんで今日はあんなに接近してくるの?  あんなことされたら……心臓がドキドキしすぎて、苦しくなる。
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