第5話 不屈の男

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 翌日のお昼休み、私は中庭に行かなかった。恋野くんとお弁当を食べるようになってから、雨が降る日以外に中庭へ行かなかったのは、今日が初めてだ。  昨日別れてから、恋野くんには会っていない。会って話したい気持ちと、このまま会いたくない気持ちが、心の中でぐちゃぐちゃに絡まり合っている。  そんな気持ちのまま午後の授業を終え、ため息をつきながら帰る支度をしていると、先に教室を出たはずの春菜が駆け寄ってきた。 「紅子! 恋野先輩が紅子のこと呼んでるよ」 「え?」  見ると教室のドアのところに、不機嫌そうな顔つきの恋野くんが立っていた。
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