1 → ミミ

2/8
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
「ねぇ、ミミってさ、何を言っても無視するよねー?」 「うん。信じられなーい」  午前の学校の授業を受け終わり、今は昼休み。  ご飯を食べようと口を開けると、教室のどこかからミミの悪口が聴こえた。  大切な友達の悪口を言われ、私はカッと頭に血がのぼる。 「……ううん、いいの。いいからね、ユミコ」  ミミの悪口を言う女子生徒に、何かしら言ってやろうとすると、私の隣にいたミミはそれを引き止めた。  どうして?と聞くと、ミミは微笑む。 「周りの人のことなんて放っておけばいいのよ!私はユミコがいてくれるのならそれで十分」  やりきれない気持ちもあったけれど、ミミにそう言われ、私は何も言葉を返すことが出来なかった。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!