3度目の海

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3度目の海

この匂い、いつ嗅いでもいい匂い。僕の冒険心をくすぐるなぁ。 ちょっとずつ海の方に向かう。 そばには飼い主さんと飼い主さんのお友達。 僕は波に流されたり砂浜に戻ったりを繰り返している。 気持ちいいねぇ。 空気も美味しい。 気のせいか、飼い主さん、少し元気がないね?大丈夫かな? あっ、大きな波だ。 僕は懸命に4本の脚を波の中で必死に動かす。 ねぇねぇ、見た?僕、今、かなり泳げてたよね? 「リク太、上手(じょうず)ぅ」 これは飼い主さんのお友達。ちょっとだけ右足を引きずる癖があるね。でも、初めて会った頃よりどんどん元気になってる。椅子にばっかり座っていたのにね。 「トレーニング、いっぱいしたもんな」 これは飼い主さんの声だね。 そうそう、僕はいつだってアスリートだからね。クライミングから始まって、池の中でも泳いだよね。プール?でも一緒に飼い主さんたちと泳いだしね。 「そろそろ行こうか?」 飼い主さんが僕を海から持ち上げる。 どこに行くの?
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