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キス一つで息が上がってしまった。彼は八戸のTシャツをめくろうとしたところで、急に動きが鈍くなった。さきほどのキスとは打って変わって、探ってばかりの緩慢な動きで八戸の身体に触れている。シャツ越しに身体を触れる彼の手が震えているのが見えた。
やはり、彼は慣れてない。
そう気づいた八戸は押し倒すようにして、彼の背をベッドに沈めると、膝立ちになってその身体にまたがった。
緊張に身体を硬くした睦が不安そうに見上げてくる。そんな彼の頬を優しく撫でる。
「睦、肩の力抜いて」
「う……」
頬に当てた手が顎を伝って首筋から下へと降りていく。八戸の手が膨らんだボトムに触れようとした瞬間、焦った声とともに乱暴に手を掴まれた。
「ちょっと待って」
「どうしたの?」
「……あ、その……」
口ごもる様子がいつもの彼らしくない。睦は目を伏せたまま、口を開いた。
「俺のが変でも笑わないでください」
「笑わないよ。みんな大差ないさ」
安心させるように頭を撫でるとそのまま軽くキスをした。
八戸も彼の気持ちがわかる。十代の頃は形や大きさで、自分の陰茎に自信が持てなかった。が、経験を積むうちにそんなことは大した問題ではないと気づいていったのだ。きっと睦にもそう思える日が来るだろう。
そう思って彼の股間に触れた瞬間、疑問がよぎった。
(……ん? 足が、三本……?)
そして一瞬の間のあと、八戸は自分の手元を二度見した。
(え、これ、ちxこなの!?)
睦の前置きがなければ絶対に叫んでいた。
彼の陰茎は片手では収まらないほど太く、そして長かった。超巨根である。身長二メートルぐらいある男でないとバランスが取れないんじゃないかっていうぐらいデカイ。
性器というより凶器である。決して人の身体に挿れるものではない。
「……変すか?」
八戸の表情を察したのか、彼がぽつりと呟いた。
「風呂屋に行ったらじろじろ見られるし、友達にも黒人級だってからかわれてすごく嫌で……ん……っ」
最後まで聞かず、八戸は服の上から彼自身を柔らかく掴んだ。強弱をつけて擦ると、睦は戸惑ったような声を漏らした。彼自身は少しの刺激を与えると若さゆえの正直さで、みるみる硬さを増していく。八戸は彼のスエットに手をかけると下着ごとずらして彼の立派すぎる陰茎を顕にさせた。
「八……八戸さん……」
恥ずかしさと興奮に混じってどこか怯えたような睦の瞳。
八戸は彼の陰茎に顔を埋めると、その根元に唇を寄せた。
「変じゃないよ。すごく魅力的だ」
視線が結ばれると、睦は瞳が溢れそうになるぐらい目を見開いたあと、湯気が出そうなほど顔を真っ赤に染めた。
「な……、なに言ってんすか……もう……」
震えた声を出しながらベッドに沈む姿は撃沈という他ない。身を起こして彼を見ると耳まで朱に染めていた。
その初々しい照れっぷりが頬ずりしたくなるほど可愛らしい。
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