ヤンキー彼氏の大きすぎる偏愛

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 震えた声を出しながらベッドに沈む姿は撃沈という他ない。身を起こして彼を見ると耳まで朱に染めていた。  その初々しい照れっぷりが頬ずりしたくなるほど可愛らしい。  期待に膨れた陰茎に唇を這わすと堪えるような吐息が聞こえた。焦らすように唾液で濡らしながら、頂上に向かっていく。先端から咥えたところで、睦が焦ったような声を上げた。 「ま……待って……、八戸さん……。頼むから……」  顎が外れそうなほど、口を開いた八戸の中で睦がびくびくと脈打つのが分かった。八戸は口を離すと、血管が浮くほど張り詰めて震えている。意地悪く笑って舌先で鈴口を突いた。 「いつまで待てばいい?」 「う……、なんでそんなエロいんだよ……」  顔の前でぎゅっと手を握り、睦は悔しそうに呟いた。少し耐えるような間を挟んだあと、真っ赤に血走った目を向けた。 「もうイキそうだから手で……ふっ……」 「こう?」  唾液に濡れた陰茎にゆっくりと指を滑らせると、睦は熱い吐息を漏らしながら頷いた。八戸は手を動かしながら悶える姿をうっとりと眺めた。 (可愛い)  素直で初々しい姿に釘付けになってしまう。その油断を突くように、睦の手が八戸を引き寄せる。 「んぅ……、八戸さん」  甘えるような声とは反対に、彼の手は強引に八戸の肩を抱き寄せて、荒っぽい口づけを仕掛けてきた。  酸素を奪い合うようなキス。時折痛みすら感じるほど、舌を吸われ、睦に余裕がないことが伝わってきた。  弾かれたように唇が離されると、潰れるぐらいきつく抱きしめられた。その身体がびくびくと震える。 「……ぁうぅ……っ」   悲鳴のような呻き声とともに八戸の手のひらに熱い欲望が吐き出された。睦は肩に顔を押し付けて荒い呼吸を繰り返している。 「はぁ……八戸さん……」  愛おしそうに名前を呼ばれて見ると、彼の目が満足そうに潤んでいるのが分かった。  軽くキスをしてから身体を離すと、ティッシュで汚れた手を拭いた。ベッドに座る八戸の背後から抱きしめられ、熱っぽく囁かれる。 「今度は俺の番」 「お、俺はいいよ」 「それはないでしょ」  遠慮をばっさり切り捨てられ、八戸は再びベッドに引きずり込まれた。形勢逆転。仰向けに寝転ぶ八戸にまたがる睦。さっきの仕返しとでも思っているのか、その表情は悪戯を始める子供のように輝いていた。  彼は確かめるように服の上から八戸の身体をなぞり、徐々に下肢へと下りていく。触れられたところが熱くなるような感覚に八戸は息をつまらせた。
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