ヤンキー彼氏の大きすぎる偏愛

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 なされるがままに服を脱がされ、半裸になる。  少し肌寒さを感じながらも、自分の神経が睦の手の動きに集中している。骨ばった大きな手がゆっくりと八戸の身体を撫でていく。その温かな手に緊張していた身体の力が抜けていく。それと同時に期待という名の熱が身体の奥で温度を上げていく。 「人によって性感帯って色々あるじゃないすか」 「んんぅ……」 「人によっては乳首弄らないとイけないとかそういうのあるみたいで、もしかしたら八戸さんもそういう類かなって思ったんすよね」 (う……鋭い)  寒さと期待で勃ち上がった乳首を指先で触れられると、熱い吐息が漏れる。そのまま指先で擦られるように捏ねられ、もう片方を舐められると、快感に全身が粟立った。乳首に吸い付く睦の頭を撫でているのか押し付けているのか分からない。八戸は助けを求めるように上ずった声を出した。 「睦、もう……」 「きつくなってきた?」  優しく聞いてくる睦の声も心なしか上ずっている。頷くとすぐさまベルトが緩められた。八戸も目をつぶったまま身を起こし、下着ごと脱がされるのを手伝った。 「寒くない?」 「大丈夫……」  正直、寒さなんてどうでもいい。しかし睦は全裸の八戸を気遣って、座る八戸を後ろから抱きしめるような形をとってくれた。背中に彼の立派なモノが当たっているが、それはこの際いいだろう。  背後から手を回された状態で、キャップが外された軽快な音と、粘っこい水音が聞こえてきた。 (本当にローション持ってきたのか)  彼が背後にいる状態の今なら少しぐらい目を開けてもバレないだろう。しかし八戸は睦に嘘をつきたくなくて、ずっと目を閉じていた。視界を遮られた状態で期待だけが膨らんでいく。彼の手から零れた液体が腹に落ちるとそれだけで息が詰まった。人肌で温められたローションで陰茎を撫でられると、もう声が我慢出来なかった。 「あ、ぁ……あぁっ……うぅぅ」  情けない声を上げながら、前屈みになるが、睦の手の動きは止まらない。ぐちゅぐちゅと音を立てて、八戸を追い詰めていく。張り詰めた陰茎に先走りとローションが混じった液体が垂れていく。 「あっ、睦……待って……待って……ひぁッ」  ぎゅっと乳首を摘まれて、八戸は悲鳴を上げた。乳首と陰茎を同時に擦られ、訳が分からなくなる。身体の奥が熱を求めて疼いて仕方がなかった。  許されるなら、今すぐ指を挿れてかき乱したい。  八戸は浅い呼吸を繰り返しながら、首を横に振った。 「も……無理……睦……っ」 「本当に?」 「……きっ……つい……」  身体が沸騰しそうだ。きつく閉じた両目の縁が涙で滲んだ。  イきたいのに、イけない。  こんな身体の自分を呪った。
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