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私は一人、外にあるベランダから月を見上げる。
遠くにいるあの人も同じ月をどこかで見つめているのかだろうか……。
本来であれば隣にいるはずだったあの人は隣にはいない。
気付いた時にはあの人は私の遠い人になっていた。
世界中を回りたいという夢を叶えたいと言ったあの人を見送ったのは私だった。
それに後悔はないはずだった。あの人が隣に居ない寂しさを知るまでは。
見送ってから隣にあの人がいない日々を送る。
私はそれだけあの人に依存していたのだということを知って時折涙が零れた。
せめて彼が同じ月を見ていることを祈りながら旅の無事を祈るのだった。
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