私と君の距離/公開告白

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私と君の距離/公開告白

ピルルルル…… 遠くで鳴り響く着信音に徐々に意識が覚醒していく。 はっと目を覚まし、沢山の資料やら教科書やらが散乱しているカーペットの上をガサガサと弄って、ずっと音を発し続けている携帯電話を探した。 ようやくそれを手に取って耳に当てれば、『もしもーし』と、可愛らしい声が聞こえてくる。 『ゆん、今何してるのー?』 「…勉強してて、気付いたら寝てたわ。」 『えっ!寝てるの!?夜はこれからなのに!?』 「……ハル、酔ってるのね?」 テーブルの上に頬をつけたまま壁に掛かっている時計を見れば、時刻は夜の九時だ。 今日は一日中大学で、家に帰って来たのが夕方の六時だった。それから勉強して…かれこれ二時間は寝てしまったのだろうか。 『酔ってないよー!でもゆんに会いたいよー!』 「私、勉強しないと」 『えー!そんなに勉強ばっかりしてるとストレスが溜まって心臓発作になるよ!?』 「ストレスが溜まっても心臓発作にはならないわよ。」 と、酔っ払い相手に何を真剣に返しているのかと苦笑しながらのっそりと立ち上がり、キッチンに行って冷蔵庫を開けてみる。 あとで買い物に行こうと思っていたのに居眠りをしてしまったせいで食材が一つもなかった。
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