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チラッチラッとドアから身を乗り出し、引っ込めることを繰り返すステンくん。
可愛いけどな、このままだとさすがに…。
後ろの騎士さんも苦笑いしてる。
「ステン…?」
はい!お姉様優しいのでね!今気づいた感じで声かけますよ!
ステンくんはビクッ!っとその場で飛び上がるように驚いて、おそるおそるわたしの寝ているベットまで近づいてきた。
「あ、あの、マリアお姉様…」
洋服のシャツをぎゅっと両手で握ってベットの上のわたしに上目遣いで話しかけてくるステンくん。
……天使か…。さらさらとした色素の薄い髪に色白の肌、まつげの長いパッチリとした瞳はエメラルドグリーン…。ひぇ…前世好みだったショタまんまやんけ…。
「あの…ぼくのせいで申し訳ございませんでした…」
っと思考トリップしてる間にステンくんは覚悟を決めていたようだ。というかステンくんのせい???
「ぼくが、ぼくが手を離さなかったから、悪いんです。ごめんなさい…。」
ペコっと頭を下げてもう一度見上げた時にはその綺麗な瞳から涙が溢れていた。
はぁ〜〜〜〜ショタ最高。
っといけない!ショタが泣いている!しかもわたしのことで!なんというあるまじきこと!寝てる場合じゃない!!!
よっこらせっと心で唱えて起き上がる。
ステンくんは起き上がると思っていなかったようでまた体を震わせた。
ベッドに腰掛けてステンくんと向き合う。
「あ、あの…」
そうよね、お姉様怖かったわよね。おもちゃを取り上げたり、冷たい言葉を浴びせたり…ごめんね。
「ステン、顔を上げなさい。」
ビクッとして下を向きがちだった顔をこちらに向ける。
その綺麗な片頬に手を添えた。
「ステン、わたしが落ちたのはあなたのせいではありません。だから泣かなくてよいのですよ。」
そう言ってわたしが笑うとステンくんはポカンっとした。
ハッ!ステンくんがしっかりしてるから忘れてたけど今わたし4歳児だった!!
しっかりしすぎてた!?!?
「お、おねえさま…?」
呆けた後困惑したように見つめてくるステンくん。あ〜〜頰スベスベだわ〜〜。
さ!子供アピールいくぞ!挽回挽回!
「わたしの方こそステンのおもちゃを、取り上げてしまってごめんなさい。」
「こうしてお見舞いにきてくれてとても嬉しいわ、ありがとう。」
最後にステンくんに笑いかける。
ステンくんはしばらく放心していたけど、わたしが頰を指でスリスリしていると戻ってきたようで
「お姉様が優しくて嬉しいです」と笑った。
ん???優しくて???
アッ!もしかして突然優しくなった故のポカンでした!?
だってねぇ!?こんなに可愛いステンくんに冷たい言葉なんて浴びせられないもん!!!
部屋のドア付近で待機していた騎士がステンくんに「ステン様、そろそろ…」と告げた。
そうよね、わたし一瞬だけど一応意識不明だったわけだし。病人扱いよね〜〜。
「あっ!お姉様、ぼくそろそろ戻ります。また…来ますね。」
そう言って笑ってくれたステンくんを見て、わたしは今世もショタコンでいいや…と思いました…だって可愛いもん…
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