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耳をつんざく銃声に、美百合は転がるようにしてその場に駆けつける。
そこで頭と胸から血を流して倒れている、杉崎 来夏を見た。
「キャァアアアア、来夏さん、来夏さん!」
悲鳴をあげて、傍らにしゃがむ。
必死に肩を揺するが、来夏はぐったりとしたまま動かない。
念入りにと二発目の弾丸でトドメをさされた来夏は、もう二度と目を開けることはない。
来夏は、ここ2ヶ月ほど美百合の側にいてくれた人だ。
一緒に買い物に行き、一緒に並んで料理もした。
同性ということもあり、一晩中ベッドの上でしゃべり明かしたこともある。
なんでも相談できる友だちだった。
その来夏が、死んだ。
「なんでなの」
美百合は、来夏の脇に立ったまま動かない龍一を睨みあげる。
「なんでこんなことになってんの」
龍一の右手には、いまだ硝煙をあげるベレッタ。
「なんで!」
美百合は唾を飛ばす勢いで龍一に詰め寄る。
「なんで来夏さんを殺したの、龍一!」
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