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「こんにちわー!!喫茶店の猫ちゃん元気?」
「はい?どなたでしょうか?」
「あ!申し遅れました!!私どもは、『掘動物プロダクション』という者です。」
「はい?動物プロダクションが何のご用ですか?」
「貴方の有名になってる猫ちゃんの事で・・・」
「はい?うちのチャイが何か御用?」
「貴方の日本一有名な看板猫のチャイちゃんを譲ってくれないか?と。
金は幾らでも出せます!!」
喫茶店オーナーの雅子は、電話の相手の動物プロダクションの言葉に唖然とした。
「すいません・・・うちの猫は売り物じゃないんですけど・・・
それに、猫を商品扱いするとこにはやれません!!」
雅子はキッパリと断った。
「じゃあ・・・うちとこの猫と契約しない?
出演料はこっちに総額額渡すから!!
この可愛いチャイちゃんを、テレビや映画にどんどん出したら、契約金何億もガッポガッポくるよ?!
それにあんたの店、例のウイルスのせいで客入んなくて大赤字なんでしょ?ふふん。」
雅子は、心が揺れた。
・・・もし、チャイちゃんと動物プロダクションと契約したら・・・
・・・今、金はここの維持費だけでアップアップで・・・チャイちゃんにろくな餌を食べさせられない状態だし・・・
・・・でも・・・こういう甘い勧誘は、後で痛い目を遭うのは・・・当人の私・・・
・・・それにチャイちゃんのストレスも心配だし・・・
・・・でも、この喫茶店を存続させるには相当な金銭が必要だし・・・
「考えさせてください。」
「じゃあ、快い返事待ってるよーん!!」
がちゃっ。
・・・あれっ・・・?
・・・私、何考えてたんだろ・・・?
・・・私、一瞬悪魔に魂を売りそうなったわ・・・?!
「にゃ~~~~ん。」
長髪猫のチャイは、悩みこむ喫茶店オーナーの雅子の足元にカラダをすり寄って鳴いて甘えた。
「ごめんね・・・今さっきあんたに変な事を考えてそうになったわ!!
やっぱり、あんたはこの『喫茶店チャイ』の看板猫よ・・・!!」
雅子はそう言い聞かせると、目の前できょとんとしているチャイを抱き上げた。
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