3#金か猫か

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 「こんにちわー!!喫茶店の猫ちゃん元気?」  「はい?どなたでしょうか?」  「あ!申し遅れました!!私どもは、『掘動物プロダクション』という者です。」  「はい?動物プロダクションが何のご用ですか?」  「貴方の有名になってる猫ちゃんの事で・・・」  「はい?うちのチャイが何か御用?」  「貴方の日本一有名な看板猫のチャイちゃんを譲ってくれないか?と。  金は幾らでも出せます!!」  喫茶店オーナーの雅子は、電話の相手の動物プロダクションの言葉に唖然とした。  「すいません・・・うちの猫は売り物じゃないんですけど・・・  それに、猫を商品扱いするとこにはやれません!!」  雅子はキッパリと断った。  「じゃあ・・・うちとこの猫と契約しない?  出演料はこっちに総額額渡すから!!  この可愛いチャイちゃんを、テレビや映画にどんどん出したら、契約金何億もガッポガッポくるよ?!  それにあんたの店、例のウイルスのせいで客入んなくて大赤字なんでしょ?ふふん。」  雅子は、心が揺れた。  ・・・もし、チャイちゃんと動物プロダクションと契約したら・・・  ・・・今、金はここの維持費だけでアップアップで・・・チャイちゃんにろくな餌を食べさせられない状態だし・・・  ・・・でも・・・こういう甘い勧誘は、後で痛い目を遭うのは・・・当人の私・・・  ・・・それにチャイちゃんのストレスも心配だし・・・  ・・・でも、この喫茶店を存続させるには相当な金銭が必要だし・・・  「考えさせてください。」  「じゃあ、快い返事待ってるよーん!!」  がちゃっ。  ・・・あれっ・・・?  ・・・私、何考えてたんだろ・・・?  ・・・私、一瞬悪魔に魂を売りそうなったわ・・・?!  「にゃ~~~~ん。」  長髪猫のチャイは、悩みこむ喫茶店オーナーの雅子の足元にカラダをすり寄って鳴いて甘えた。  「ごめんね・・・今さっきあんたに変な事を考えてそうになったわ!!  やっぱり、あんたはこの『喫茶店チャイ』の看板猫よ・・・!!」  雅子はそう言い聞かせると、目の前できょとんとしているチャイを抱き上げた。
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