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それから
高校を卒業してもうすぐ5年が経つ。
僕は暇な休日を過ごし、一人で街中をふらふらと、散歩していた。
にしても、今日は天気がいい。絶好の散歩日和だ。
…ん?何やら見覚えのある奴がいる。しかし、あの頃とは髪型も雰囲気も違う。
でも、なんだか声をかけてみたい。そう思って日陰のあるベンチで、ぼーっと座っている彼女に声をかけてみた。
「よう!久しぶりだな?〇〇だろ?元気だったか?僕のこと覚えてる?」
僕はドキドキしながら彼女の返事を待つ。
彼女は心底困ったような顔で、
「…?ごめんなさい。覚えてないです。」
と。
おや、覚えてない?まぁ、突然で思い出せないだけだろう。
「ほら、△○高校で3-Dの同じクラスだった□□だよ。1度だけ隣の席になったんだけど、覚えてない?」
彼女は考えて、考えて、考えている。終始唸ってる。
……これは、思い出せないって感じだな。
「……非常に申し訳ない。覚えてない。でも!クラスも高校も合ってるからそうなんだと思う。ので、あんまり、気にしないで。私、人のこと覚えるの苦手だから。よく、あるし!good、lack!」
彼女は下手くそなフォローをしながら励ましてくれている。高校の頃も思っていたが、相変わらずよくわかんないやつだった。変わってないな。
「でも、仕方ないか。あんまし関わってなかったもんな~。」
「ほうほう。それなら、仕方ないな。」
「そうだけどね!ちょっと傷つくよ!?」
「ごめんごめん。今から覚えるよ、君のこと。」
「そう?」
「うん、よろしく」
「え。あ、よろしく」
あれ?意外と会話が成り立った。
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