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雰囲気2
「そういえば、私はよくおぼえてないけど、□□くんもあの頃と変わったの?」
「そりゃ、少しくらいは。」
「ふむ。どこが変わったの?」
「うーん…。あ!髪を染めたところ」
「なるほど」
「あとは、少し太ったとこ」
「へー。私の前では禁句の言葉」
何か低い声でボソッと呟いた。何て言ったんだ?
「え?」
「なんでもないっ」
「そぉ?」
「おうよ」
急に男らしく。否、急ではなかった。髪もショートってよりかは、ボーイッシュって言った方がしっくりくるし、私服もどちらかといえば男らしい方だ。パッと見は、女顔した男の子って感じである。
否、これはこれで男子の心を擽る。いいかもしれない……。
「そんで?」
「っん?なに?」
思考が違う所に飛んでいた。危ない危ない。とんでもないことを口にしてしまう所だった。
「なに?って……。
□□くんの変わった所の話してたでしょ?」
「あぁ、うん。そうだったな。」
「そうでしょ?」
「うん。」
「本人が思ってる変わった所はそれくらいなの?」
「うん、そうだよ。」
「そっかぁ。そんなもんかぁ。」
「そんなもんさ(笑)」
「意外と少ないね。」
「少ないよ(笑)」
「そっか。」
「うん。」
5年という年数は長いようで短い。そんなにも変化はない。だから、少ないんだよ。
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