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ごはん
「うぅむ。」
なんか唸ってる。
「あ、お腹すいた」
「唐突。でも、わかる。…今、11時23分か。」
「小説なのに時間設定細かいなっ」
「なんか食べる?」
「食べる~!ここ、地元じゃないからわかんないだよね。」
地元は◇□県。
「あ、はじめての◇◇県って奴っすか。」
「自分で来たのは、はじめてっすね。」
「─よし、僕のオススメの店でも良い?」
「おーるおけー!」
ちょいちょい英語のテンション。
「(笑)」
「なんじゃい。」
「どっからくるの、そのテンション(笑)」
「ん?もともとこんなんだよ。」
え?衝撃なんですけど?
「まじ?こんなに面白い奴なのかよ。」
「そうそううそ。」
「どっち。」
「マジだ。」
「なーるほど。いつから?」
「こどもの時からじゃない?それこそ`三つ子の魂百まで´ってやつ?」
「えぇー。知ってたら高校のとき、もっと話してたのになぁ。」
「はっ残念でしたぁ。」
意地の悪い顔してる。腹立つんですけどっ。
「……まぁ、バレたからには、最後まで付き合えよな。」
意地の悪い顔から、はにかみ。
これが女たらしの代表例(胸キュン)とも呼ばれているギャップ萌えってやつか。
「…お主はどこぞの少女マンガじゃ。」
「え?小説ですけど、これ。」
頭大丈夫?って顔をしている。さっきのはにかみどこ行った。
「たしかに。」
「なんなんだよ。」
「いや、何でもない。こっちの話だ。」
「そーですか。」
「そーですよ。」
「ねぇねぇー、取り敢えずごはん。連れてって?」
僕の腕をぐいぐい引っ張り、目をキラキラさせている。かわいい。これぞ、
「おねだりイベント。」
「は?」
「いや、何でもないっす。行こうか。」
「おー!」
〇〇さんと一緒に歩き出す。ちょっと前までは想像もつかなったこと。
学生の頃は見ることもできなかった彼女の色々な表情が、今日はじめて見れた。
彼女といると飽きない。
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