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ある朝、僕は人生においての初体験をする事になった。
僕は目を開けた瞬間、
「うわー!!」
という悲鳴を上げてしまった。
見知らぬ女が、真っ正面から僕を見詰めていたからだ。
僕の心身は震え出し、
「あの……誰ですか?」
しかし女は、まったく反応しなかった。
僕は、ゆっくりと体をずらしていった。
が、その女は、同じ所を見詰めたままだった。
「あれ……? もしかして……」
それは、元々この部屋にいる幽霊なんだ……と分かるまで、そんなに時間はいらなかった。
僕が少し離れて起きても、その女は依然と僕の顔があったあたりを見詰めていたからだ。
オマケに、その女の首にはロープが巻かれていて、その端は天井に伸び……消えていた。
つまり、その中年の女は、どういう事情かは分からないが、昔……この部屋で首吊り自殺をしたようだった。
さらに部屋の他の所を見てみると、それぞれの天井付近にも見たことのない男女がいて、私の方を見ていた。
しかし着ている物は、白い着物ではなく、それぞれ違っていた。
そんな事はどうでも良くって、問題は、なぜ突然に幽霊が見えるようになったのか……という事態の方だ。
が……いくら考えても、まったく分からなかった。
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