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翌朝、僕は目覚めても、すぐに目を開ける気にはならなかった。
僕は、目を閉じたままで、体を少し下へずらしてから目を開けた。
「えっ?」
誰も見えなかった……。
あの時、見えた幽霊たちは、まったく見えなかった……。
「どういう事なんだ……? まぁ、見えない方がいいんだけど……」
その後で僕は、いつものように新聞を取り、食事の準備を始めた。
「きのう幽霊が見えるようになったのは……
ひょっとしたら、あの駅にいた幽霊に、お金がなくても列車に乗れると教えるタメだった……ように思えるんだけど……?」
しかし、もう幽霊が見えなくても、そこに幽霊がいるのは分かっている。
そんな家に住みつづける気にはならなかった。
僕は、なんとか格安のアパートを探して、引っ越した。
が、僕は夜になると……
(……ここにも、ひょっとしたら……沢山の幽霊が……)
と、部屋の中を見回しなが思うのだった。
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