1人が本棚に入れています
本棚に追加
「名喰いというのは、生死の境を彷徨ってる魂の名前を食べてしまうのだ。食べられたら地獄へ堕とされてしまう」
「オレ、まだ完全に死んでないんですか!?」
「厳密に言えばそうなる」
でも、堕とされたってことは、死ぬのと同じだよな?
「お前の身体は、今は現世の病院にある。しかし……」
閻魔が言い淀む。
「大丈夫です。話してください」
「うむ……。お前は、親戚にも恵まれていないのだな。誰もお前を見舞おうとしない」
ガクッ……。
あぁ、そんな奴らだよ、あいつ等は!
「名喰いは、そういう奴の魂を狙うのだ。名喰いに喰われたら地獄に堕とされて、少しすれば、現世の身体の息も絶える」
「そう……なんですか……」
なんかオレってば、スゲー不幸なんですけど。じゃあ、もうすぐオレの現世の身体も死ぬんだな。それなら別に地獄だろーがなんだろーが、何処にだって行ってやるよ。
「焦るでない。まだお前は生きておる。私は暫くお前ほど不幸な奴に会わなかったのでな。今後の道を選ばせてやろうと思って呼んだのだ」
最初のコメントを投稿しよう!