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「確かに自ら命を断つのは罪だ。だが、お前は少しイレギュラーなのだよ。私の言う意味がわかるな?」
閻魔の言った言葉の意味。
多分オレが恵まれた環境になかったと言いたいのだろう。そして、死を選んだのは仕方のないことだ、と。
「ここからは私の提案だ。まず、名喰いから名を取り戻す。そして、天国へ旅立つがよい」
「え……?」
天国?
今、地獄に居るのに?
「先程も言ったが、お前はイレギュラーなのだ。しかも生き還りたくないと言う。ならば天国へ行き、魂の浄化を行い、生まれ変わるが良い」
「魂の浄化は、地獄でも出来るんじゃ……」
「出来る。が、天国のそれとは違う」
……わからん。
魂の浄化が出来るなら、別に地獄に居てもいいんだけど。何が違うっていうんだ。
「不服そうな顔だな。地獄の魂の浄化は、生まれ変わる先が限られてくるのだ。例えて言うなら、虫の類い」
む、虫!?
「天国での魂の浄化は、ヒトにでもなんにでも生まれ変わることが出来る。基本的に、寿命の長いモノに生まれ変わるのだ。そして地獄では……」
「寿命の短いモノにしか生まれ変われない?」
「そうだ」
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