地獄の入り口

4/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「あぁ、悪かった」 「ごめんね。……あっ」 簡素な謝り方をしたあと、何か思いついたように母さんが声をあげる。 「魂浄化係のツネさんに、これからの事を訊いてみたらどうかしら?」 魂浄化係? なんだそりゃ。 オレは訝しげに父親を見た。 「ああ、あの人になら直接電話できるしな」 地獄にも電話があるんかい! ツッコミどころ満載だが、とりあえず黙って様子を伺う。 「ちょっと待ってろ。今訊いてみるからな!」 何やら得意げに言うと、親父はスマホをどこからか取り出した。 いや、正確には、スマホが空間の歪みから現れたのだが。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!