プロローグ

1/1
前へ
/11ページ
次へ

プロローグ

━━2018年4月…。 のどかな道を、二人の女性が歩いていた。 二人のうち、一人の名前は松平なつき(まつだいら・なつき)、サラッと指通りの良さそうなナチュラルブラウンの長いストレートヘアが良く似合っている、22歳の美女である。 もう一人の女性は、佐川まなみ(さがわ・まなみ)、肩までのほんのりブラウンがかった、ゆる巻ヘアがよく似合う、こちらも22歳の美女である。 ━━二人は、福島県会津若松市(ふくしまけんあいづわかまつし)に来ていた。 旅行に来ている訳ではない…。 彼女達は、この会津若松市に住もうとしていた。 ━━遡ること、数ヶ月前…。 「━━私、福島に住もうかと思って…。」 と、なつきは言った。 「ん?」 まなみは、なつきを見て、 「福島?」 と訊いた。 ここは都内にある、なつきの住んでいるマンション。 まなみが遊びに来ていた。 「うん。」 と、なつきは頷いた。 「どうしたの急に?」 と、まなみは訊いた。 「なんか、都会の生活に疲れた…。」 と、なつきは呟くように言った。 なつきの職業はモデルである。 身長は164cmと、そこまで高くはないが、カメラの前で見せる表情は、見た人をを惹き付けて離さない、不思議な魅力を持っている。 一方、まなみは、モデルのなつきの影に隠れがちだが、実は、なかなりの美女である。 職業は、派遣スタッフをしている。 まなみは、中学受験をして、私立中学に通っていた程の秀才である。 その為、一流企業にも就職は可能であったが、あえて派遣スタッフの道を選んだ。 ━━元々、旅行が好きなので、派遣スタッフになって、期間終了時期を上手く活用して、旅行に出掛ける為だ。 ちなみに、身長は161.9cmだが、面倒なので162cmと周りには言っている。 「でも、どうして…福島?」 と、まなみは訊いた。 「東京から近いような遠いような、そんな感じが好きなの。」 と、なつきは答えた。 「あぁ、確かに…。」 とまなみは頷いてから、 「ねぇ…なつき…。」 と言った。 「何?」 なつきは、まなみを見た。 「私も一緒に行っていい?」 と、まなみが訊いた。 「え!?」 なつきはまなみを見て、 「福島に?」 と聞き返した。 「うん、ちょうど派遣会社の支社が福島にあって、そこで再登録出来るし。」 と、まなみは目を輝かせた。 「本当に?」 なつきはまなみを見て、 「一人だと少し不安だったから、嬉しい!」 と、なつきは笑顔になった。 「うん、一緒に住む?」 と、まなみは訊いた。 「うん。」 なつきは頷いた。 ━━そして二人は、福島に引っ越す事にした。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加