3LDK、バス・トイレ・〇〇付き

1/1
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

3LDK、バス・トイレ・〇〇付き

━━2018年4月…。 のどかな道を、なつきとまなみは歩いていた。 「なんか空気が美味しく感じるね。」 と、まなみが言った。 「うん。」 なつきは頷いた。 「ところで、なつき…。」 とまなみが訊いた。 「何?」 なつきは、まなみを見た。 「なつきが読んでた、ネット小説って何だっけ?」 と、まなみが訊いた。 「笹美月(ささ・みづき)の《8月8日の約束…》の事?」 と、なつきは答えた。 「そうそう、そんな感じの。」 と、まなみが言った。 「それがどうかしたの?」 なつきは訊いた? 「それ、面白い?」 とまなみが訊いた。 「うん、私はわりと好きだけど。」 と、なつきは答えた。 「私も今度、読んでみようかな。」 と、まなみが答えた。 「読んでみれば。」 と、なつきは微笑した。 「でも…。」 と。まなみは言いかけた。 「どうしたの?」 なつきは、まなみを見た。 「作者の《笹美月》って、名前の響きはいいけど…」 まなみは、なつきを見て、 「冴えないオジサンだったりして。」 と、悪戯っぽく笑った。 ━━まなみん、やかましいわ!(苦笑) ( ̄∇ ̄) 「かもね。」 と、なつきも微笑した。 ━━おいおい、なっちゃんまで!(苦笑) ┐( ̄ー ̄)┌ ━━二人は、引越し先のアパートに到着した。 丁度、引越し業者のトラックも到着した。 なつきとまなみは、引越し業者のスタッフに、家具の置き場所を指示しながらも、何か重い空気のようなものを感じていた。 ━━引越し業者が帰った後…。 「ねぇ、なつき…。」 まなみが声を掛けた。 「何?」 なつきは、まなみを見た。 「……。」 まなみは少し間を置いて、 「やっぱ…空気…違う…よね…?」 と、恐る恐る言った。 「う、うん…。」 なつきは頷いた。 ━━明らかに、空気が違う…。 誰かがいるような気配がするのだ。 二人は、横に並ぶようにして話していたが、何か、後ろから視線のようなものを感じた。 「何か…後ろにいる気がするの…。」 なつきは、小声でまなみに言った。 「わ、私も…。」 まなみも小声で答えた。 「…見てみる?」 なつきは、まなみに言った。 「う、うん…。」 まなみは頷いた。 ━━二人は、お互い、アイコンタクトを取ると、一斉に後ろを見た! 「!?」 「!?」 ━━二人は、絶句した!! 二人の後ろには、10人近くの人らしきものが立っていたのだ! ━━明らかに、この世の者ではない、青白い顔をした侍の様な姿をした幽霊が立っていたのだ…。 「ここって…。」 まなみが呟く。 「3LDK…。」 なつきが呟く。 「バス…。」 と、まなみ。 「トイレ…。」 と、なつき。 「幽霊付き!?」 「幽霊付き!?」 二人は、顔を見合わせた!!
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!