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自然体 その2
父と母と妹はせかせかと朝食を食べ終え、俺が祖母と自分の分を作った時に父たちは仕事にでかけ凛も中学校に向かった。
「おばーちゃん。朝食できたよー」
俺がそう言うと部屋の奥から祖母がゆっくり歩いて「あらあら、ありがとう」と言いながらゆっくりと出てきた。
急いでる俺は祖母を待たずに食べ始めた。やはり俺も両親達同様急ぎながら。
祖母はゆっくり座り、いただきます、と手を合わせ言いゆっくりとマイペースに食べていた。
俺は次は学校の準備があるのでせかせか食べていると、祖母が言った。
「余計なお世話かもしれないけど、タケルくん、少し人生を急ぎ過ぎじゃないかなあ。ゆっくりでいいのよ。そう、自然体に生きるのが本当は一番なのよ」
自然体ねえ、そう思いながら話をほぼ聞かず俺は食べ終え学校に向かう準備をした。
祖母には悪いけど今はそんな余裕がないのが現状なのだ。
コレが今の一条タケルの生き方なのだから。
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