ドドリアさん

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 飼ってから1週間くらいでは、まだ俺に怯えていた。見つけた時のドドリアさんはとても汚れていて、細かな傷がたくさんあったことから察するに、飼い主にひどい扱いを受けていたことがわかる。  それでもまだ子猫だったからか、1ヶ月ほどで懐いてくれた。餌を俺の手から食べてくれるようになった時は本当に嬉しかった。懐いてくれたドドリアさんはさらに可愛くみえた。一つ一つの仕草がまあなんとも。  ドドリアさんと過ごす毎日はほんとに楽しかった。講義の時間は、前まではただぼーっとしていただけだったのに、今は毎回ドドリアさんのことだけを考えている(もちろん講義はちゃんと聴くべきだ)。どんなに疲れていてもドドリアさんを見るだけで回復する。いらない邪念は崩れ去る。寝る前はいつも、ドドリアさんの 「うにゃーーーー」「にゃーーーお」  と言う鳴き声に癒されて一緒のタイミングで寝ている。  俺が感じた感情を全部吸い取るドドリアさんは、まるで悪魔のようだ(いい意味で)。  猫を飼い始めてしまったら最後、なんて言葉をよく聞くがそんなこと俺には関係ない。ぼっちでも良い、この生命を大事に育てよう、俺はその時そう心に誓ったのだった。
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