ドドリアさん

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 ある日、僕の部屋に姉がきた。姉はいつも、連絡を入れずに僕の部屋へ来る。そのため、普段から部屋を綺麗にして置いている。ただ、最近はドドリアさんへの餌や猫砂のふくろを床に適当に置いているのでなかなか汚い。しかも、猫のトイレとキャリーバックもある。姉はもうすぐ来ると言っていた。これはめんどくさいことになりそうだ。そして、ドアが開く。 「ただいま〜」 「ここは俺の部屋だぞ」 「実質わたしの部屋でもあるでしょ」  そして姉は気付きやがった。 「この匂い、まさか俊ちゃん猫飼ってるの?」  姉は、ドドリアさんのところへいく。 「めっちゃ可愛いじゃん!なんで猫飼ってるって言ってくれないのよ」 「メンドクセーから。姉貴に言うとさ永遠と猫の話してきそうで。」 「しないわよ〜〜。2時間くらいしか」  2時間を短いと捉えている姉貴の考えは、いささかおかしい。 「でも俊ちゃんって猫苦手じゃなかったっけ?」 「昔はな。ってかその俊ちゃんって呼び方やめろ」 「いいじゃ〜ん、可愛くて」  相変わらず馬鹿みたいな会話をする姉貴に苛立ちを感じつつ。 「そう言えば、この子の名前なんていうの?」 「ドドリアさん」  そう言って瞬間、姉貴の顔は見る見るうちに青ざめていった。 「俊ちゃんそれはこの子がかわいそうよ、別の名前にしなさいよ」 「なんで?」  俺は姉貴になぜドドリアさんという名前がダメなのか、教わった。姉貴のスマホに映し出された画像は酷いものだった。ただのピンク色のデブだった。姉貴が元ネタのドドリアさんのについて長々と語っている時、自分のミスにがどれほどのことだったのか理解した。名前のつけられ方もドリアンとドリアで似ていた。 「だから俊ちゃん、名前変えてあげなさい」  と、姉貴は言ったが俺は変える気はなかった。 「もうドドリアさんって呼べば反応するようになっちゃったし、今更名前変えるのは難しいよ」 「まああの子も嫌そうじゃないしいいのかもね」  それから姉はいつものように酒を飲んで、爆睡して、正午になって起きた。「じゃあ俊ちゃん、帰るね」 「次は連絡しろよ」 「はいはい」 「そう言えばさ、母さんが俊ちゃんに伝えて欲しいって」 「歩美ちゃんから毎日電話がかかってくるのが鬱陶しいから夏休みのうちにこっちへ俊がきてなんとかして欲しいってさ」 「じゃあね俊ちゃん」  そう言って姉は帰って行った。歩美、思い出したくない女である。軽く舌打ちをしてドアを閉めた。ドドリアさんどうしよう、そう思うのだった。    
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