第1話

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第1話

会場のすぐ横にある公園の片隅にあるベンチに腰を下ろして、愛夢ちゃんは携帯を掲げた。 「え、え、なに?」 「何って……撮らないの?」 「あ、え、うん、撮る」 どうやら自撮りをするらしい。私も携帯を取り出して、カメラアプリを起動させた。 軽く一枚撮って確認する。 「……愛夢ちゃん」 「何?」 「太陽光、盛れるね……」 「ヤバいでしょ?」 「ヤバい」 過去最高に顔が整って見える。いつもは夜の部屋の蛍光灯の下で撮っていたからっていうのもあるだろうけど、透明感が段違い。 加工もそこそこにSNSのアプリで投稿すると、すぐに愛夢ちゃんの投稿も表示された。やっぱり顔が良い。私こんな子の隣にいてもいいのかな。 「この後どうする?」 「2人で写真撮ったり、入ってもいいお店を見たり、知り合いを待ったりって感じ?」 「なるほど」 「とりあえず撮る?」 「うん」
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