転生

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今日は珍しく、俺完全指名の依頼があった。 どうやら、国最大規模の凶悪な宗教組織の潜伏場所が分かったらしい。 破壊の森のはずれの古びた教会に潜んでいるらしい。 その、宗教組織というものは子供の目玉と心臓を神に捧げると、 神が自分の願いを1つ叶えてくれるという、馬鹿みたいな組織だった。 そんな組織でも国最大というだけあって、 そこらのちょっとばかし力が強い奴じゃ対処しきれないということで 『全帝』の俺が駆り出された。 その組織が潜伏しているという教会に着くと、妙に静かだった。 何かがおかしいと思い、扉を開けてみると、 建物の中は血まみれで人の肉片らしきものが飛び散っていてとても悲惨な状況だった。 「、、これは...何が起きた、。」 見たところ生存者は居なそうだが、 状況を確認するためにも建物内へと足を進める。 すると、血だまりの中心あたりで何かが動いた。 もしかして...と思って近づいてみると子供が生きていた。 急いで近づいて抱き上げる。 「おい!大丈夫か!!」 そいつは、黒髪黒目に、 薄汚れた黒のボロボロの服に首と両手両足に重そうな鉄の枷を着けていた。 いや、実際重いんだろう。見るからにこいつは細いのに体重が結構ある。 俺でもやっと抱えられるくらいだったので「身体強化」して抱える。 片足が変な方向に曲がっていたので、とっさに「治癒魔法(ヒール)」をかけて元の方向に治す。 体のほとんどの部分が血を被っていて、この血の中にはこいつの血も混じっているんじゃないかと心配で、早く保護して体の傷を確認しようと思った。 「他に人は居るか?」 ここに居て大量の血を被ってるこいつならわかるんじゃないかと思って聞いてみると、こいつは首を振って否定した。 「そうか。もう大丈夫だから俺と一緒に来い」 一目見た瞬間に何故か、俺がこいつを助けてやりたいと、できることならずっと一緒に居たいと思った。 念のために「念話」で応援を呼んで後の対処を任せる。 建物を出るときに、こいつをローブで隠してからギルドまで「転移」する。
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