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「察男君、これ虐待だから警察に......」
「そこは物置ですってば......」
何回同じボケをやれば気が済むのだろう。半田君はまた物置を見て、悲しそうな顔をした。何回も言うが、僕の部屋は物置の隣だ。
「そんな嫌そうな顔しなくてい~じゃん?ほんのジョークなのに」
「......半田君が言うとジョークに聞こえないです」
僕が肩を落とすと、半田君は「わーったよ」と口を尖らせた。
部屋に入るなり、半田君はまた僕のベッドに飛び込んだ。ベッドが弾み、半田君が「ぶふ~」と息を吐く。
「察男君のベッド落ち着く~......」
「そ、そうですか?」
「ベッドっていうか、何だろ?匂い?すげ~落ち着く~......」
半田君はフニャッと口角を上げると、布団に顔を擦り付けた。余程、僕の家の洗剤の香りが好きらしい。
「ん~......っあ、こんな事してる場合じゃない」
よいしょ、と半田君は起き上がり、ベッドに座った。
「クイズとなぞなぞの違いを調べなきゃだった。え~とスマホスマホ......」
半田君はそう言うと、鞄からボロボロの携帯を取り出した。そして慣れた手つきで携帯を操作して「へぇ~」と目を丸くした。
「知識の豊富さを求めるものがクイズで、なぞなぞは頭の柔軟性を求めるものだってさ」
「へぇ...」
「もっと言うと、事実を答えるのがクイズで、なぞなぞは想像した物を答える......ってさ」
「あぁー......」
「へぇ~……。そうなんだぁ、」
半田君は納得したのか数回頷くと、携帯をベッドに置いてまた寝転んだ。
「お利口になったしいいや。寝よ」
「......あの、半田君?」
「ん?なぁに?」
「あの......携帯で調べるなら別に僕の家に来なくて良かったの.........では?」
「ん?......あぁ、そっかぁ。まぁ、いいじゃん?お互い暇だし」
僕の枕を抱き締めて、半田君が笑う。抱き枕ではないので抱き心地は良くないと思うのだが、半田君は構わないらしい。ギュッと抱き締めて幸せそうな顔をする半田君を見たら、下半身が"イラッ"とした。
「ん~......」
僕の枕を抱き締めて、半田君がコロコロと転がり始めた。どうやら余程暇らしい。そんな事を考えている僕も暇なので、ベッド横のテーブルに放置してあった文庫本をペラペラをめくっていた......その時だった。
「あっ!そうだぁ!!」
半田君は何かを思い付いたらしく、勢いよく飛び起きた。
「ねぇ!察男君!!」
「な、なんですか?」
「クイズで遊ばない?察男君が絶対に答えられるめちゃくちゃ楽しいクイズ!!」
「.........と、言いますと?」
僕が首を傾げると、半田君は自信に満ちた様子で人さし指を立てた。
「名付けて"半田クイズ"!!俺に関する問題しか出さないから、察男君ヨユーでしょ?」
「......へぁ~......????」
「このヤンキーは何を言っているんだ?」と、頭上の疑問符がランバダを踊った。
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