観察日記4日目

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 「察男君、これ虐待だから警察に......」 「そこは物置ですってば......」 何回同じボケをやれば気が済むのだろう。半田君はまた物置を見て、悲しそうな顔をした。何回も言うが、僕の部屋は物置の隣だ。 「そんな嫌そうな顔しなくてい~じゃん?ほんのジョークなのに」 「......半田君が言うとジョークに聞こえないです」 僕が肩を落とすと、半田君は「わーったよ」と口を尖らせた。  部屋に入るなり、半田君はまた僕のベッドに飛び込んだ。ベッドが弾み、半田君が「ぶふ~」と息を吐く。 「察男君のベッド落ち着く~......」 「そ、そうですか?」 「ベッドっていうか、何だろ?匂い?すげ~落ち着く~......」 半田君はフニャッと口角を上げると、布団に顔を擦り付けた。余程、僕の家の洗剤の香りが好きらしい。 「ん~......っあ、こんな事してる場合じゃない」 よいしょ、と半田君は起き上がり、ベッドに座った。  「クイズとなぞなぞの違いを調べなきゃだった。え~とスマホスマホ......」 半田君はそう言うと、鞄からボロボロの携帯を取り出した。そして慣れた手つきで携帯を操作して「へぇ~」と目を丸くした。 「知識の豊富さを求めるものがクイズで、なぞなぞは頭の柔軟性を求めるものだってさ」 「へぇ...」 「もっと言うと、事実を答えるのがクイズで、なぞなぞは想像した物を答える......ってさ」 「あぁー......」 「へぇ~……。そうなんだぁ、」  半田君は納得したのか数回頷くと、携帯をベッドに置いてまた寝転んだ。 「お利口になったしいいや。寝よ」 「......あの、半田君?」 「ん?なぁに?」 「あの......携帯で調べるなら別に僕の家に来なくて良かったの.........では?」 「ん?......あぁ、そっかぁ。まぁ、いいじゃん?お互い暇だし」 僕の枕を抱き締めて、半田君が笑う。抱き枕ではないので抱き心地は良くないと思うのだが、半田君は構わないらしい。ギュッと抱き締めて幸せそうな顔をする半田君を見たら、下半身が"イラッ"とした。  「ん~......」 僕の枕を抱き締めて、半田君がコロコロと転がり始めた。どうやら余程暇らしい。そんな事を考えている僕も暇なので、ベッド横のテーブルに放置してあった文庫本をペラペラをめくっていた......その時だった。 「あっ!そうだぁ!!」 半田君は何かを思い付いたらしく、勢いよく飛び起きた。  「ねぇ!察男君!!」 「な、なんですか?」 「クイズで遊ばない?察男君が絶対に答えられるめちゃくちゃ楽しいクイズ!!」 「.........と、言いますと?」 僕が首を傾げると、半田君は自信に満ちた様子で人さし指を立てた。 「名付けて"半田クイズ"!!俺に関する問題しか出さないから、察男君ヨユーでしょ?」 「......へぁ~......????」 「このヤンキーは何を言っているんだ?」と、頭上の疑問符がランバダを踊った。
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