観察日記5日目

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 「半田、半田ぁ~?......何だ。今日は欠席か?」 4限目の日本史。半田君は屋上へエスケープ中である。ノートをとるのは勿論、僕の役目だ。 「半田なら頭痛くて保健室で~す」 「またか!よく頭痛起こすなぁ、あいつ......」 半田君のヤンキー仲間......猪瀬(いのせ)君がダルそうにそう言うと、教師はため息をついて名簿に何かを書き込んだ。 「......ぅし、じゃあ授業始めるぞ~」 教師のその一言に僕はズレた眼鏡を上げ、猪瀬君は大きなあくびをした。  授業が終わるとほぼ同時に、半田君が教室へ戻ってきた。教室へ入るなり僕の肩に手を置き「お疲れ様ぁ~」と僕の体を揺らす。 「あ、あばばばば......」 「察男君、お疲れ~アンドありがと~」 言いながらノートを取り、半田君は僕の頭をポカンと叩いた。そして自分の席につき、いそいそと昼食の支度を始める。 (うぐぐ......妙に悔しい...) 叩かれた頭を擦りながら背中を睨んでいると、半田君の所に猪瀬君が寄ってきた。  「おい魁翔~、放課後ヒマ?久し振りに遊ぼうや」 どうやら遊びの誘いらしい。しかし半田君は手を合わせ「ごめん」と軽く頭を下げた。 「今日も予定あるからパスさせてもらいま~す」 「またぁ?!お前最近、ず~っとパスじゃん!?」 ぶー、と口を尖らせる猪瀬君。しかし半田君は嬉しそうに頭を掻いて「んふふ」と笑った。  「わりぃわりぃ。ちょっと最近、忙しくてさ......」 「ンだよそれ......あ"。さては女だな!?」 「あ~......まぁそんな感じ、かなぁ?」 「ぬゎにぃ!?」 半田君の言葉を聞いた猪瀬君が、窓際に座る別のヤンキー仲間......八塩(やしお)君の方を見て「おい!」と叫んだ。 「やっちゃん聞いたか!?魁翔がリア充になりおったぞ!!」 「何ィ!?それは許すまじ案件だ!おい魁翔!詳しく聞かせろ!」 「や~だよ。めんどくせぇ」 ケラケラと笑う半田君の頭を、猪瀬君と八塩君が"もみくちゃ"にしていた。
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