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「半田、半田ぁ~?......何だ。今日は欠席か?」
4限目の日本史。半田君は屋上へエスケープ中である。ノートをとるのは勿論、僕の役目だ。
「半田なら頭痛くて保健室で~す」
「またか!よく頭痛起こすなぁ、あいつ......」
半田君のヤンキー仲間......猪瀬君がダルそうにそう言うと、教師はため息をついて名簿に何かを書き込んだ。
「......ぅし、じゃあ授業始めるぞ~」
教師のその一言に僕はズレた眼鏡を上げ、猪瀬君は大きなあくびをした。
授業が終わるとほぼ同時に、半田君が教室へ戻ってきた。教室へ入るなり僕の肩に手を置き「お疲れ様ぁ~」と僕の体を揺らす。
「あ、あばばばば......」
「察男君、お疲れ~アンドありがと~」
言いながらノートを取り、半田君は僕の頭をポカンと叩いた。そして自分の席につき、いそいそと昼食の支度を始める。
(うぐぐ......妙に悔しい...)
叩かれた頭を擦りながら背中を睨んでいると、半田君の所に猪瀬君が寄ってきた。
「おい魁翔~、放課後ヒマ?久し振りに遊ぼうや」
どうやら遊びの誘いらしい。しかし半田君は手を合わせ「ごめん」と軽く頭を下げた。
「今日も予定あるからパスさせてもらいま~す」
「またぁ?!お前最近、ず~っとパスじゃん!?」
ぶー、と口を尖らせる猪瀬君。しかし半田君は嬉しそうに頭を掻いて「んふふ」と笑った。
「わりぃわりぃ。ちょっと最近、忙しくてさ......」
「ンだよそれ......あ"。さては女だな!?」
「あ~......まぁそんな感じ、かなぁ?」
「ぬゎにぃ!?」
半田君の言葉を聞いた猪瀬君が、窓際に座る別のヤンキー仲間......八塩君の方を見て「おい!」と叫んだ。
「やっちゃん聞いたか!?魁翔がリア充になりおったぞ!!」
「何ィ!?それは許すまじ案件だ!おい魁翔!詳しく聞かせろ!」
「や~だよ。めんどくせぇ」
ケラケラと笑う半田君の頭を、猪瀬君と八塩君が"もみくちゃ"にしていた。
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