ホームレスと少年

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 駅近くにあるガラス張りのテラス席があるカフェ、天気の良いこの日お茶を楽しむ人達の姿があった。店内は白い壁に木のテーブルと椅子が並べられ、至る所に観葉植物が置かれている。 「紅茶になります。こちらアイスコーヒーです。ごゆっくりどうぞ」  店員が去ると女性は頬に手を当て、高まる緊張から震える声で隣に居る男性に訴える。 「どうしよう……緊張して手が震える……。」  そんな女性に男性はアイスコーヒー片手に笑顔を向ける。 「大丈夫だって。そんな緊張しなくても」 「緊張するに決まってるでしょ……。ああ、どうしよう。嫌われたりしたら……。」 「そんな心配いらないって。まあ会えばすぐ俺の言ってる意味も分かるから」 「……なんか緊張が解れる話をしてよ……。」  女性は少し赤くなった顔で男性を見つめる。そんな女性に男性は少し考えるような仕草をする。 「話か……。あるホームレスと少年の話をしてやるよ」 「何それ、面白いの?」 「面白くはないけど……まあ聞けって。一人の不良少年がいてさ……。」
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