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清々しい朝、公園で青く澄んだ空の絵を描いていた。青が使っていたのと同じ、透明水彩の絵の具。色を重ねれば、より一層きれいになる。青が教えてくれたことだ。
「よう、安室。何してんだ」
余計な奴と出くわした。良いところだったのに。たまたま、友人が居た。
「見りゃ分かるだろ、絵を描いてんの」
「……まだ、彼女のこと引きずってんのか?」
なんだコイツ、まだ心配してやがったのか。
「ご心配なく、ただの趣味ですから」
別にただ引きずってるから、彼女のように絵を描いている訳じゃない。ただ、彼女が愛したこの青い空を知れば、新しい発見があるのかもしれない。まあ、一生見つからないかもしれないけど。
「まあ、青に教わった俺が描いた絵には、青の魂が宿ったり宿らなかったり……」
「マシな絵を描けるようになってから言えよな」
「うるせぇ」
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