第一話

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 気がつけば、寝ていた。朝だろうか。とりあえず、目を開けた。  俺は、目を見開いた。家じゃなかった。青いカーテンが俺の寝ているベッドを取り囲んでいた。消毒液の臭いが漂っている。 「ここ……病院?」  まさかだったが、間違いなく病院だった。誰かに説明して欲しかったが、残念ながら誰も居なかった。ドラマとかだと、気がついた!って、誰かしらが騒ぐんだろうが、誰も居なかった。手元にボタンがあった。恐らく、容態が悪くなった時とかに押すあれだろう。俺は、そのボタンを手にとって、押してもよいのか悩み、押してから、押しても良かったのか悩んだ。駆けつけた看護師さんは、丁寧に説明してくれた。  昨晩、バイトの帰り道に、俺は交通事故にあっていた。事故の原因は、運転手の居眠り運転。寝ぼけていて、突然ハンドルを切ってしまい、歩道に突っ込んだんだそうだ。そこに運悪く、俺が居たらしい。いや、ホントに運わりぃな。人も車も全然居なかったのに、運命的に出会ってしまったのか。酷い運命だな。その後、俺は気絶して、救急車で病院に運ばれてきたとのこと。車に直接はぶつからなかったのか、幸い擦り傷程度しか負っていなかった。俺は、その日の内に退院することができた。
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