第二話

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 朝。誰も居ない静かな部屋で目覚めた。誰も居ない中起き上がって、誰も居ない中、朝御飯を食べた。ここ最近、妙に朝が寂しい。独り暮らしには、もうとっくに慣れたと思っていた。だが、今はもう、去年はどうやって一人で暮らしていたか思い出せないくらいだ。多分、友人や授業が、俺の気を紛らしていたのだろう。そんなことを脳裏に浮かべ、ただ、退屈な道を歩いた。別に悩んでる訳じゃない。独りで居ればそりゃあ寂しいし、同じことを繰り返せばそりゃあ退屈だ。ただ、それだけ。別に悩みは無い。  気づけば、バイト先に辿り着いた。 「先輩!」  後ろから声がした。 「あ、おはよう、葵ちゃん」  振り返ると、にっこりと微笑む彼女が見えた。 「お久しぶりです」 「うん」  俺は、笑みを溢した。
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