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「先輩? なにぼーっとしてるんですか?」
「あ、ごめん」
「早く、お店行きましょうよ!」
「うん」
ふと、空を仰げば、日が傾いて、空が赤く染まっている。ただ、もうほとんど、日は沈みそうで、うっすらと黒が差していた。地平線を目指す黄色い光は、引き込まれそうで、幻想的だった。そして、鮮やかなグラデーション。
「……きれいだ」
そう、呟きそうになった。しかし、それを噛み殺した。俺は、きれいな空を見て、妙に感傷的になる癖がある。その意味に気付いたんだ。違う。思い出したんだ。俺は、忘れていた、あの日の青い空を。
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