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第三話
大事なことを思い出して、デートに気持ちが入るわけが無かった。葵ちゃんと食事をしていても、ずっと上の空だった。葵ちゃんと別れたら、さっさと帰った。
「ただいま」
寂しい我が家に帰ってきた。そりゃ寂しいはずだ。俺は、ずっと一人じゃなかったんだから。ずっと、彼女の亡霊と過ごしてきてたんだ。居もしない亡霊と。側に居る気になっていた。居るもんだと思い込んでた。ずっと、妄想の中だった。それを丸々、この前の事故のショックで忘れていたんだ。何かおかしいような気はしてたけど、俺は記憶喪失になっていたんだ。
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