第三話

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 初恋で最愛の女性。さわやかなオーラ、白く透き通るような肌、何とも交わらない純白な彼女。そんな彼女が教えてくれた空の美しさ。あの日、初めて出会ったとき、青く澄んだ空を彼女は描いていた。眩しい光沢を生み出す漆黒の瞳に映る、ただただきれいな空。彼女の絵は、輝いて見えた。君と出会えたことが、俺の人生で最大の幸せであったことは、疑いようがない。君がどんな風に思っていたかは分からないけど、君と会えるだけで最高の毎日だった。  だけれど、君と別れた日。一度別れただけで、再び会うこともあった。それでも、あれからの日々は、信じれないくらい残酷だった。君はどうしても幸せになることが出来なくて、俺は限りなく深い闇の中をさ迷った。あれから、俺は幸せだったことがあるだろうか?  次の朝、独りで目覚めたとき、バイトの入っていない日曜日であることに安堵した。
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