ラッキーホームレス

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 男の家は屋敷と言っても過言でない立派な佇まいじゃった。  かなりの売れっ子小説家に違いない。  しかし家政婦もおらんから大きな家の中にわしと男だけが住むことになった次第じゃ。  男の書斎はいつも書き損なって丸められて反故になった紙の山じゃ。  わしはそれらを片付けるのが主な仕事で後は適当に水拭きや掃除機をかけるだけで掃除は済む。  それとゴミ出しだけ。  これで結構な部屋に住めて3食食事代付きじゃ。  こんな美味い話が他にあるか?  全く役得じゃて。
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