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「ほう……面白い」
影原主任は辰也の名前を聞いて、ニヤリと笑った。
「鉄さん、ご苦労さま。これで黒幕に一歩、近付いた」
主任は鉄さんの労を労うと、次の報告を聞き始めた。
「成瀬に日野。鮫崎剛士の報告をしてくれ」
成瀬さんと日野さんは立ち上がり、報告を始めた。
「鮫崎剛士ですが、過去3回結婚をしています」
「知ってる。初めが18歳の折、同い年の子との間に子供ができたことから結婚したが、赤ん坊が死産だったことにより離婚。2回目は剛士の不倫問題で離婚。その時の愛人が鮫崎由梨。鮫崎夫人だ」
影原主任の説明に成瀬さんは頷いた。
「はい。そこで我々は鮫崎氏の最初の妻である黒瀬夏希さんを調べる事にしました」
成瀬さんは鮫崎氏の最初の奥さんについて、簡単に説明した。
「離婚後、黒瀬さんは鮫崎氏から逃げるように地元湘南から東京へと上京。新宿でホステスをして働いてたそうなんです。何とか彼女にお話を伺おうとしましたが、既に他界しており、話を聞くことができませんでした。しかし黒瀬さんが住んでた家の近所の人にお話を伺ったところ、驚くべき事実を知り得ました」
「驚くべき事実?」
「当時、彼女が住んでた住民によると赤ん坊がいたようで、その子と二人で暮らしていたそうです」
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