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「突然、お呼び立てして申し訳ない。鮫崎虎次の兄貴についてお聞きしたいことがあってね」
主任は一枚の写真を取り出すと、それを律子さんに見せた。
「どうだ?」
「兄貴でしょ。こいつがどうかしたの?」
律子さんはなんの迷いもなく答えた。
その瞬間、影原主任がほくそ笑んだ。
まるで全ての謎が解けた様な恍惚とした微笑みだった。
「諸君……鮫崎一家4人殺しの犯人を紹介しよう」
主任は手に持ってた写真を皆の前に見せつけた。
私は驚愕した。
いや、誰もが驚いていた。
虎次の兄貴といえば被害者の鮫崎辰也のみしかいなかった。
しかし、写真に映っていたのは辰也の上司……
氷室雄一その人だった。
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