第8話 秘密会議

24/25
前へ
/303ページ
次へ
杏美ちゃんに言われるまで私は固まっていた。 「いや、大丈夫よ。話してくれてありがとう」 私はすぐに笑顔になり、お礼を述べた。 「2人共、大人気(おとなげ)なかったけど、あの騒動がなかったら、パパとの出会いはなかったってママは言ってたわ」 「何だか昔のトレンディドラマ見たいね」 「それなっ!」 いつの間にか杏美ちゃんに笑顔が戻っていた。 これで失恋を克服したとは断言できないが、元気を取り戻したのは良い傾向だ。 「杏美ちゃんにも見つかるわよ。玲くん以上の良い男が」 「だと言いけど……もう寝るね。おやすみなさい」 杏美ちゃんは眠たそうにしているきなこを見て、自分もベットに横になった。 「おやすみなさい」 私は電気を消して横になった。 だけど、中々、寝付けられなかった。 主任と奥さんの馴れ初め話を聞いてしまったからだ。 余韻に浸ってた訳ではない。 何か引っかかるものがあった。 それが疑惑へと変わり、1つの可能性が見えてきた。
/303ページ

最初のコメントを投稿しよう!

429人が本棚に入れています
本棚に追加