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新宿のオフィス街。
そこの27階建ての高いビルの一角に株式会社ファウスはあった。
「失礼します。社長、刑事さん達がお見えになられました」
私達は秘書の方に案内され、社長室の中に入っていった。
「どうぞ。おかけ下さい」
突然の訪問に氷室社長は怒ってはなく、椅子から立ち上がり、応接ソファへと誘導した。
「初めまして氷室さん。突然の訪問、申し訳ございません。私……」
主任は謝りながら氷室社長に名刺を渡した。
「ほう、あなたがあの影原さんですか」
氷室社長は名刺を見るなり、主任の顔を見て興味を持った。
「お噂はかねがね。『皮剥事件』を解決した優秀な刑事がいるとYouTubeで騒がれた時期がありましてね。一度、会って話がしたいなと思ってたんですよ」
氷室社長は終始、笑顔で対応していた。
この爽やかな笑顔に戦慄した。
主任の推理が正しかったら、この人は凶悪犯という事になる。
それなのに刑事2人を前に、こんな爽やかな笑顔を作れるなんて………
私は鳥肌が立ちっぱなしだった。
それを表に出さないように必死になっていた。
一方、影原主任も氷室と同じ様に爽やかな笑顔を見せていた。
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