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詳しい事情を聞くために氷室社長を八王子署に連行する事になった。
それから程なくしてパトカーがビル前にやって来たので、氷室社長は大人しく乗ってくれた。
でも私達は乗らなかった。
まだビル内でやる事があったからだ。
パトカーが到着する間、影原主任は氷室社長に色々と尋ねた。
「このビルは27階建てで、あなたの会社は26、27階を借りていますが、どうして2つ必要なので?」
「娯楽ですよ。26階はオフィスとして使ってますが、27階は社員の息抜きの場として設けました」
「なるほど。どんな施設なんですか?」
主任の質問に氷室社長は少し黙った。
そして、再び私達に不敵な笑みをこぼしながら、
「……行ってみれば分かりますよ」
と言って、何も言わなくなった。
私達はパトカーが見えなくなるまで見送った。
完全に視界から見えなくなると、影原主任は再び、ビルの中へと入っていった。
珍しく異様なまでの早歩きに私はついて行くのに必死だった。
そして、エレベーターに乗り、27階を押すと私に言った。
「お嬢………グレムリンのアジトを探すぞ」
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