第9話 対峙

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27階の娯楽室には3つの部屋がある。 目の前には卓球場。 その隣にはダーツ。 奥の通路側には自販機と喫煙室があった。 更にその奥の左側には映写室があり、そこが一番大きかった。 影原主任はまず、映写室へと向かった。 行く間に卓球場やダーツの部屋を中には入らず、ドアを開けて少し眺めた後、また歩き出した。 喫煙室を素通りして奥の映写室へと入った。 室内は真っ暗闇で窓はひとつもなく、電気を付けなければ、視界が見通せない状態だった。 主任は電気を付けると、私は部屋の広さに圧倒された。 映写室はこの階で一番の広さを誇っていた。 壁際にはDVDとBlue-rayの棚が右からあいうえお順に綺麗に並んでおり、洋画邦画がジャンル関係なく豊富に取り揃えていた。 更に左側には最新式のプロジェクターで右側には真っ白なスクリーンが設置されていた。 私は映画にはそれ程、興味がなかったので秘密の部屋なるものを探す気でいたが、相棒は違っていた。 主任はDVDの棚をじっくりと品定めしていた。 さっき挑戦状を受けて立つと闘志を燃やしていたのが、目の前のDVDの棚によって一気に鎮火してしまったようだ。 「なに見ようか迷うなぁ……お嬢は何がいい?」 冗談半分に聞こえたが、もう半分は本心だろう。 私は何も言わず、ただ半目を開いたまま、じとーっと主任を見つめていた。
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