第9話 対峙

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秘密の部屋に通じる扉が開いた。 私達は早速、踏み込もう前へ進んだ。 と言いたいところだが、まずはその感情をグッと我慢した。 まずは中から人が降りてくるのを確認したかったからだ。 とりあえず、私達は座席ソファの後ろに隠れて様子を見る事にした。 しかし、五分経過しても降りてくる気配はなかった。 主任は中には誰もいないと判断し、立ち上がった。 私も立ち上がると、梯子の前まで歩いた。 踏み込む前に主任は一つだけ質問してきた。 「銃は持ってきたか?」 「はい、一応」 私は腰に着けたホルスターを主任に見せた。 凶悪犯と対峙する時が近付いた時は常に拳銃を所持していた。 以前、久米皐月の仲間に拉致された時の経験を活かしての事だった。 あの時はまんまと騙された挙句に無防備だった。 だから、せめて犯人の候補が浮上してきたら、拳銃を所持して捜査に臨むようにしていた。 「よし。では踏み込むぞ」 主任は深く頷くと、自分も拳銃を取り出した。 そして自ら先頭に立ち、ゆっくりと梯子を登った。
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