428人が本棚に入れています
本棚に追加
秘密の部屋に通じる扉が開いた。
私達は早速、踏み込もう前へ進んだ。
と言いたいところだが、まずはその感情をグッと我慢した。
まずは中から人が降りてくるのを確認したかったからだ。
とりあえず、私達は座席ソファの後ろに隠れて様子を見る事にした。
しかし、五分経過しても降りてくる気配はなかった。
主任は中には誰もいないと判断し、立ち上がった。
私も立ち上がると、梯子の前まで歩いた。
踏み込む前に主任は一つだけ質問してきた。
「銃は持ってきたか?」
「はい、一応」
私は腰に着けたホルスターを主任に見せた。
凶悪犯と対峙する時が近付いた時は常に拳銃を所持していた。
以前、久米皐月の仲間に拉致された時の経験を活かしての事だった。
あの時はまんまと騙された挙句に無防備だった。
だから、せめて犯人の候補が浮上してきたら、拳銃を所持して捜査に臨むようにしていた。
「よし。では踏み込むぞ」
主任は深く頷くと、自分も拳銃を取り出した。
そして自ら先頭に立ち、ゆっくりと梯子を登った。
最初のコメントを投稿しよう!