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秘密の部屋は思いの外、狭くはなかった。
しかし、映写室と同様にここも暗くて何も見えず、主任は懐中電灯を照らした。
私が登りきる頃には電気をつけ、明るくなった。
秘密の部屋には誰もおらず、コンピューターの機材が5つ並んで置かれていたのみだった。
私と主任は室内を回りながら、グレムリンの証拠となるのを探した。
ところが何も見つけることができなかった。
「氷室は私達が踏み込む事も想定していたのでしょうか?」
散策しながら私は主任に聞いてみた。
「恐らく、そうだろうな。このコンピューターを押収したとしても中身は空っぽ。消去済みだろう」
主任の口調は少し困りきったかのような小さな声を発した。
私は諦めずに左の奥の方まで散策した。
すると、そこにも一台のコンピューターがあった。
そこは見つけた5つのパソコンとは違ってパソコンが動いていた。
しかもディスプレイにはデジタル時計が中央に置かれており、異様な音を出していた。
――ピッ、ピッ、ピッ……
私はまさかと思い、パソコン周りをよく見ていた。
それはすぐに見つけた。
パソコンの隣にはコンピューターとは関係ない大きな鉄の塊がパソコンと繋がっていた。
ディスプレイの時刻は3:30を切った。
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