第9話 対峙

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秘密の部屋は思いの外、狭くはなかった。 しかし、映写室と同様にここも暗くて何も見えず、主任は懐中電灯を照らした。 私が登りきる頃には電気をつけ、明るくなった。 秘密の部屋には誰もおらず、コンピューターの機材が5つ並んで置かれていたのみだった。 私と主任は室内を回りながら、グレムリンの証拠となるのを探した。 ところが何も見つけることができなかった。 「氷室は私達が踏み込む事も想定していたのでしょうか?」 散策しながら私は主任に聞いてみた。 「恐らく、そうだろうな。このコンピューターを押収したとしても中身は空っぽ。消去済みだろう」 主任の口調は少し困りきったかのような小さな声を発した。 私は諦めずに左の奥の方まで散策した。 すると、そこにも一台のコンピューターがあった。 そこは見つけた5つのパソコンとは違ってパソコンが動いていた。 しかもディスプレイにはデジタル時計が中央に置かれており、異様な音を出していた。 ――ピッ、ピッ、ピッ…… 私はまさかと思い、パソコン周りをよく見ていた。 それはすぐに見つけた。 パソコンの隣にはコンピューターとは関係ない大きな鉄の塊がパソコンと繋がっていた。 ディスプレイの時刻は3:30を切った。
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