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――プツン……
パソコンの電源が切れる音が聞こえた。
既に爆破時刻は過ぎていた。
ここは天国かと瞼を開いてみた。
しかし、立っていた所は秘密の部屋だった。
「フフフッ………」
誰かが笑いを堪えていた。
情けない姿を相棒に見せた影原主任だった。
そして、遂に我慢の限界に達したのか部屋いっぱいに笑った。
「フハハハハッ!!」
この状況をイマイチ把握しきれていなかった。
私の目は点となり、ポカンと口を開けていた。
デジタル時計が表示されたディスプレイの方に目をやると、既に時計は消えており真っ黒の画面を見せていた。
「パソコンはな電源を落とせば動かなくなる物なの」
主任は笑いながら、抜いたコンセントを私に見せつけた。
「それじゃあ、主任が見つけたやつも?」
「とっくに電源を落としてます。全く、笑いを堪えるのに必死だった。お前ったら本気で動揺するんだからな」
――やられた……
この男は初めから全て知ってたんだ。
「それにしてもだ。やはり人間は土壇場になると上司と言えどもタメ口を使うものなんだと改めッ!!!」
――カキーンッ!
私の渾身の蹴りが主任の股にクリティカルヒットした。
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