12人が本棚に入れています
本棚に追加
「――あれ?」
うどん屋の前で、僕たちは立ち尽くした。
自動ドアの前には「定休日」というそっけない札がかかっている。
「閉まってるね」
「ああ……」
「そこのラーメン屋さんで、いっか」
「ああ……」
二軒隣のラーメン屋に入った。
僕はすっかり沈んだ気持ちになっていた。
「茜は、蕎麦がキライなんだな」
そうつぶやいて、セルフサービスの水を、コップに注いだ。
「いやあ、別に蕎麦も好きだよ」
茜はキョトンとした顔をしている。
最初のコメントを投稿しよう!