喧嘩するほど

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「――あれ?」 うどん屋の前で、僕たちは立ち尽くした。 自動ドアの前には「定休日」というそっけない札がかかっている。 「閉まってるね」 「ああ……」 「そこのラーメン屋さんで、いっか」 「ああ……」 二軒隣のラーメン屋に入った。 僕はすっかり沈んだ気持ちになっていた。 「茜は、蕎麦がキライなんだな」 そうつぶやいて、セルフサービスの水を、コップに注いだ。 「いやあ、別に蕎麦も好きだよ」 茜はキョトンとした顔をしている。
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