香り

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しばらくそのまま立ってたら、どこからか とっても綺麗な、川の流れのような、澄んだ空のような・・・歌声が聞こえてきたんです。 私は、歌声のするほうに行きたくなりました。近くで、それを聴いてみたかったんです。 でも、やっぱり体は動かないんです。 涙も、溢れ出し続けてるんです。 私が近くに行かずとも、その歌声はよく響いて、私のところに届きました。 (どんな人が歌っているんだろう・・・) 私は、その歌声の主はどんな人か、想像を膨らませました。 しばらく聴き入っていたと思います。どのくらいたったのかは、分かりません。 ふっと歌声が途切れたんです。
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