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私が、幼稚園に通っていた頃のこと。
私は、人見知りで、友達とうまく話せなかった。そもそも、私は本が好きで、本を読んでばかりだったから、同じ年頃の子とは、あんまり話が合わなかったんだと思う。
それで、私はいつも、独り家で遊んでいた。
母と父は仕事。兄弟もいなかったから、私はいつもひとりぼっち。寂しかった。
そんな私には、宝物があった。
三毛猫のぬいぐるみ、ミケちゃんだった。
私は、ミケちゃんとお話したり、一緒に本を読んだりするのが大好きだった。
その日も、いつものように、ミケちゃんに話しかけていたんだ。
そしたら
「ミィ〜」
って、ミケちゃんが、ぬいぐるみのミケちゃんが鳴いた。その上、歩き出して、私に擦り寄ってきた。
今考えたらすごく不思議なことなんだけど、幼かった私は、そのことを「嬉しいこと」として捉えた。
・・・うちで前飼っていた猫、ミケが会いにきてくれたような、そんな気がしたことを、よく覚えている。
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