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それで、その日はミケちゃんと沢山遊んだ。どこへ行くときも、ミケちゃんはついてこようとして、ちょっと大変だった。
でも、すごく可愛くて、一緒にいるのが楽しかった。・・・よく覚えてる。
疲れたのか、ミケちゃんが寝てしまった。私も、その横に転がって、うとうとしてた。
そしたら
「ニャーオ」
って、いきなり、ミケちゃんが大きな声で泣いたの。それで、私に擦り寄ってきた。その擦り寄り方、鳴き方は、ミケそっくりだった。同じと言ってもいいくらいに。
私の話は、これでおしまい。
これからどうなったか?それは、私にも分からない。気づいたら、私はミケちゃんを抱いて、椅子に座ってたんだ。
それからミケちゃんが動くことはなかった。
「ただのぬいぐるみ」に戻ったのかな・・・
あれが何だったのかは、正直よく分からない。でも、これだけは言える。
「絶対、嘘なんかじゃないし、夢でもない。ミケが私に会いに来てくれたんだよ」
私は呟いてみた。
それに応えるかのように、部屋の隅に置かれたミケちゃんが
「ニャー」
と小さく鳴いていたことは、誰も知らない。
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